事務所ブログ

2015.11.19更新

弁護士が扱う仕事として,離婚事件に付随して多く発生する事件として「不貞行為による慰謝料請求」の事案があります。

不貞行為とは「配偶者以外の者との間において,性的関係を結ぶこと。」と定義されており(最判昭和48年11月15日),世間一般で言われる不倫や浮気よりは狭い概念であるとされています。

このように,他方配偶者が不貞行為を行った場合には,他方配偶者とその交際相手が共同不法行為者として被害を蒙った配偶者に対して,連帯して慰謝料の支払い義務を負うことになりますが,不貞行為は,通常,密航性の高い行為であるため,不貞行為を相手方が否定した場合には,立証には一定の困難を伴います。

また,不貞行為より以前において,既に,婚姻関係が破綻していた場合には,不貞行為の相手方の責任が免除されるという趣旨の裁判例があることから,仮に,不貞行為の存在自体は認めた場合でも,それ以前から既に夫婦関係は破綻していたという趣旨の主張が裁判上でも極めて多くなされます。

不貞行為の被害者の中には,相手方配偶者の不貞行為により大きな精神的苦痛を受けているだけでなく,加害者の責任追及のための訴訟等において,不貞行為の当事者から以上のような反論を受け,殊に,被害者である配偶者の行為によって既に婚姻関係が破綻していたとする趣旨の主張が平然となされる場合には,更に大きな精神的苦痛を受けることになります。

しかしながら,そのような加害者の不誠実な主張が,慰謝料額に適正に反映されているかと言えば,決してそうではなく,不貞行為の慰謝料については,比較的低い金額で固定されているのが実情です。

裁判所においては,上記のような問題点を踏まえた上で,不貞行為の被害に遭われた方が,適正な権利・利益の回復を図ることができるような訴訟指揮や判決を重ねる必要があると常々思っています。

投稿者: 沢田法律事務所

2015.11.14更新

弁護士の仕事をしていると感じることとして,日本の民事事件の手続きは判決等の裁判所の結論の実現には一定のハードルがある場合が多いということです。

例えば,犯罪の被害に遭った方が,加害者に対して,訴訟を提起する等して勝訴判決を得たとしても,加害者に資力がなければ,現実問題として回収をすることが困難な場合が多いです。そのため,どうせやっても無駄だからということで,法的手続きを採ること自体に二の足を踏む方も多いと思います。

このような場合に,裁判所等の公的機関が回収を支援してくれるかといえばそうではなく,裁判所の仕事は判決等の結論を出すことまでですので,仮に,相手方が判決を無視したり,和解した約束を守らない場合には,権利者の方自身が,相手方の財産を自分で探した上で,強制執行(差押)等の手続きを採る必要がありますが,執行対象となる財産を発見することは通常困難であることや,執行手続き自体にも費用がかかることから,使いにくい制度となっていることは否めません。

債務者の財産を開示させる財産開示という手続きなども一応がありますが,債務者に出頭を強制することができないため,余り実効性はなく,今のところ利用したことはありません。

以上のような債権回収の内,特に養育費等の権利者やそのお子さんの生活に直結する債権の回収については,法律上,複数の手続きが用意されてはいますが,結局はないものからは取れないのが実情です。

そのため,民事執行法を改正する等して,特定の債権に関しては,権利者がより簡単に権利の実現を図れるようにすることが必要であると自分としては考えています。


 

投稿者: 沢田法律事務所

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